今後のライフプランをふまえて相続を考える
過去の生活状態などから、子どもは親の財産をある程度予測しているものです。
そのため、親が亡くなった時思っていたよりもお金が残っていない、財産の全体像が把握できないという場合、「他の兄弟が財産を使い込んだのでは?」「だれかが財産を隠しているのではないか?」などと疑心暗鬼になることもあります。
このような事態によって、家族同士が争う「争続」が起こることを避け、残された家族が財産をスムーズに引き継ぐためには、生前対策は家族全員で行なうのが理想です。
まず最初に財産リストの作成をしましょう。
同時に、親の今後のマネープランを検討します。
現在ある財産の全てが家族に受け継がれるわけではありません。
生活費や娯楽費、医療費などで親の財産は減っていくの通常です。
「今後の生活にいくら必要か」を試算したうえで、残りをだれにどう残すかを考えます。
そのほか、介護が必要になったらどうするか、いずれ子供と同居するのか、または老人ホームに入所するのか、自宅は誰が相続するのか...
といった今後の生活プランを考えることも相続対策を行なううえでは大切な事です。
また、そうした想いを家族に伝え、考えを擦り合わせておくことが望ましいです。
子供からはさりげない提案を
相続の話は、子供からは切り出しにくいものです。
「テレビで言ってたけど、最近は相続トラブルが多いらしいね」という具合に、さりげなく話題を出し、相続の話ができる雰囲気を作りましょう。
もしくは「この家も古くなってきたし、リフォームでもする?」というような自宅をテーマにして話を切り出すのもいいでしょう。
不動産は、遺産分割の際に揉めやすい財産であり、また金額も大きいことから、相続税に及ぼす影響も大きいです。
親の今後の住まいは、相続税の負担を大きく減らす小規模宅地等の特例に関係してきます。
なお、兄弟姉妹に代わり、良かれと思って特定の子どもが1人で話を進めると、後にトラブルに発展する可能性が高くなります。
兄弟姉妹で共通の認識を持ちながら、家族全員で話し合って考えましょう。

保有財産をリストアップする
可能な限り思いつく財産をリストアップし、財産の全体像を把握する


老後に必要な資金を計算する
・通常の生活費はどれくらいか?
・娯楽、お祝いなどに使う金額がどれくらいか?
・医療費はどれくらいかかるのか?
・自宅の修繕・改修にはどれくらい必要か?
・どこでだれと暮らすのか(住居費はどれくらいか)?
・病気や介護は必要な場合は誰の手を借りるのか
(老人ホームの入居費用などがどれくらい必要か)?
など


生前の自分の取り分を決める
STEP2で計算した「今後必要となる資金」を、STEP1の財産から差し引く


財産の分け方を考える
STEP3で残った財産を誰にどう残すかを考える


相続対策をスタート
(遺産分割対策、納税資金準備、節税対策を検討)